■俳句甲子園に出るために親元を離れ愛媛の島の高校へ

新型コロナの影響で去年とおととしは俳句審査のみの大会となり、大街道商店街での対戦形式の大会はありませんでした。
俳句部で活動する高校生にとって念願の大会。そして、3年生にとっては最初で最後でした。

(馬場さん)
まだここに来れたんだっていう実感がない。憧れの地に立てたというのが嬉しい
馬場さんは大阪府出身。故郷を離れ縁もゆかりもない伯方分校に入学した理由は…
(馬場さん)
小学1年生のころから俳句をやっていて、俳句甲子園を意識しだしたのは小4くらいから。俳句甲子園に出るのが夢だったので、どうせやるなら徹底して愛媛でやろうって

(馬場さん)
やはり不完全燃焼があったというか。ただ、今年開催することができたので、ある意味今まで溜めてきたその積み重ねをここで出せるのかなと思いました

(寮母さん)
大阪から来ているのに虫が触れるし、触ってはいけない虫を教えるのに必死やった
(馬場さん)
最初、ムカデを素手で触って毒あるって知らなくて
(寮のオーナー)
僕らと感性が違うんですよ。感じ方が、普通に海見てもモノ見てもこういう感性って必要なんだろうなと
(馬場さん)
ここに来たかった理由でもあったんですけど、季語がすごく多くて。頭の知識じゃなくちゃんと季語が実感できたり、そういうのは大阪にはなかった
しかし、俳句甲子園への道は決して順調ではありませんでした。馬場さんが2年生の時には部員が2人しかおらず、部員の勧誘に奔走した時期もありました。
(伯方分校2年 阿部さん)
馬場さんがいろんな部に一生懸命声をかけて回って集めて私もやりたいなと思って俳句部に入りました
3年生になって初めての俳句甲子園。小学生のころから憧れていた場所で、チームのみんなと共に戦います。
(馬場さん)
全国に行って優勝したいです
■全国大会出場 3年間の完全燃焼へ

(伯方分校の句)
祖父の眼は透明な森シクラメン

“透明な”としたところがどういう感覚を表現したかったのですか?
(ディベート 伯方分校)
例えば“透明な”を抜かしてしまって“祖父の眼の森”としてしまうと、句の飛躍がしすぎていて句意が伝わりにくいと思います
(馬場さん)
相手の句を掘り下げていくというかより理解していく、こっちも理解してもらうために一生懸命しゃべるっていうのは、俳句をする上で楽しいことなんだなと感じました
1ブロック4チームの総当たり。伯方分校チームは3勝し全国大会への切符を手に入れました。11年連続22回目の出場です。

最後の大会でまずは完全燃焼、今までの自分を出し切りたいですし、今まで私が半ば強引に誘って連れてきてしまった部員もいるのでその子たちに報いられるよう精一杯最後まで頑張りたい
俳句甲子園全国大会は、8月20日~21日の2日間、松山市を舞台に開催され、17音に懸ける高校生たちの熱い思いが響きます。