精度0.1ミリ単位!車内には様々な検測装置が…

狭いドアをくぐり、通路を奥へ。
ベッドが備え付けられた休憩室を左手に進むと、ところ狭しと並べられた様々な検測装置が並んでいて、まるでコンピュータールームのよう。

その車内の一角に据え付けられた複数のモニターには、車両前方の様子と、線路の状態を示すグラフなどが、リアルタイムで映し出されています。

(JR四国 松山保線区・児谷 吉紘助役)
「走りながら『軌道変位』のチャートが常時出てくる。レールの長手方向の高低の変異と、左右の変異、それにレールの幅」

その精度、なんと0.1ミリ単位なんだとか。
今まさに走行している線路の状態、ごくわずかな変化も、見逃すことなく詳細に測定され、記録されていきます。

「予讃線は高松を起点として、宇和島が終着のキロ表示になる。今日は『上り』検測なので、数値がどんどん減っていく」

総合検測車「ドクターWEST」は、時速70キロを超す速度で、予讃線を松山方面に 向けて走り続けます。

その「目」となるのは、高性能のカメラのほかにレーザー測定器、そして磁場の変化を観測する装置です。

列車が走り始めてしばらく経ったとき、プリンターからグラフが印刷された紙が出てきました。

「一定の基準を超えたときに出てくる紙。列車を抑止する必要がある値なのかどうかを、添乗している人間が確認する」

そんな紙が手渡されるたび、保守を担当する職員は、それを食い入るように見つめます。モニターを見つめるその目は、真剣そのものです。