「完全責任能力」なら死刑も免れず

迎えた論告求刑。検察側は「電磁波攻撃」の内容は、生命や身体が狙われているといった差し迫ったものでは無かったと指摘。

2023年12月12日

「何の落ち度もない被害者3人が次々と殺害された」
「遺族への謝罪はひと言も無く、被害弁償も望めない」
「周到な計画性は無いものの、酌むべき事情も無い」

殺人という重大犯罪が周囲に及ぼす悪影響を十分に認識していたこと、凶器のナイフを持ち替えたこと、現場に駆け付けた警察官の指示に従ったことなどを挙げ、状況に応じた適切な行動を取ることができていたと主張。妄想型統合失調症の影響は強かったものの、自身の行為の意味は理解できていて、責任能力は完全に失われていたわけではなく、心身耗弱だったと述べた。

「完全責任能力の場合、2人以上を殺害した事案で死刑が回避されるのは、被害者が家族である場合などに限定される」
「法律上、最高の刑を望む」

その上で、無期懲役を求刑した。