岩手県釜石市の職員が住民の個人情報を不正に漏えいさせた問題についてです。市の調査委員会が調査報告書をまとめ、人的要因と組織的要因の2つが背景にあったと指摘しました。

 この問題は2015年から去年にかけ、当時釜石市の職員だった40代の男女3人が全市民およそ3万2000人分の個人情報を自宅のパソコンのメールアドレスに送るなど不正に持ち出し、漏えいさせたものです。
 これを受けて市は去年6月に委員会を設置し調査を進め、29日、委員長を務める晴山真澄副市長から野田武則市長に調査報告書が手渡されました。
 委員会は原因について大きく2つあると指摘しました。

(釜石市個人情報漏洩調査委員会委員長 晴山真澄副市長)
「一つは人的要因。対象職員のコンプライアンス意識の低さや情報漏洩に対する危機管理意識の欠如。二つ目の要因として、組織的要因としまして管理体制が不十分であったこと」

 そして情報セキュリティーポリシーの徹底や組織マネジメントの改善など5つを再発防止策として求めました。
 市はこの問題を受け職員への研修を実施したほか、すべての添付ファイル付き送信メールについて情報管理部門で確認しているということです。
 その後の記者会見で野田市長は、次のように述べました。

(釜石市 野田武則市長)
「この情報漏えい問題は、市民の皆さんの期待を裏切るような結果になってしまいましたので、それを何とか市民の皆さんの期待を得られるような、新しいこの市役所の在り方っていうものですね積極的に力強く力強く推進していく」

 その上で管理体制の甘さがあったとし、「新年度から職場環境の改善を大きな目標にしたい」と述べました。