Q)事故の調査結果が出たことで、ご遺族への謝罪の意思は?

◆桂田社長
「ごめんなさい。調査結果、聞いてないんでわかんないですよね」
「読んでないから。ちょっとね、他のことで、ごたごたしてて」

 この事故をめぐっては、業務上過失致死の疑いで、海上保安庁が捜査を続けています

 これまでに明らかになっている運航状況などは、下記のようになっています。

<当時の運航状況>
・出航前、桂田精一社長は豊田徳幸船長(当時54歳)から「天候が悪くなったら帰ります」と聞く
・同業他社が海が荒れる旨を豊田船長に伝えるが、問題視する様子なかった
・当日朝も「今日はダメだぞ」「行ったらダメだぞ」と伝えていた
・乗客24人を乗せ、午前10時ごろ、ウトロ漁港を出航
・午前11時半すぎ、午前12時すぎ、午後1時ごろに心配した人が豊田船長に連絡するもつながらず
・午後1時7分ごろ、豊田船長が同業他社社員に「カシュニです」などと連絡
・午後1時13分ごろ、豊田船長が同業他社社員に「沈みそうだ」などと連絡
・午後1時21分、乗客から「沈みかかっている。浸水して足まで浸かっている。冷たすぎて泳ぐことは出来ない。飛び込むことはできない。救命胴衣は全員着用している」と親族に連絡

<ハッチの不具合>
・事故前から、約50センチ四方のハッチのふたが完全に閉まらない状態
・高波で船体が揺れたことでふたが開き、海水が流れ込み沈没したと推定
・8日前の写真では、ハッチのふたが閉まっていない状態
・3日前のJCIの検査では、外見上、問題みられず、開閉試験を省略

<桂田社長、豊田船長などの経験不足>
・豊田船長は、甲板員の経験が3か月しかなく、現場海域の天気特性や操船について知識、経験とも不足
・桂田社長は2021年、自らを安全統括管理者と運航管理責任者に選定
・北海道運輸局は、安全統括管理者および運航管理者の認定基準を満たすと認識
・桂田社長は安全管理規定と運航基準を年に2~3回読んだが、こんなことが書かれているんだ程度の認識
・「KAZUⅠの運行は、船長の判断に任せておけばいいと思っていた」と発言
・事故当時、会社事務所を不在
・資金ぐりが厳しく、船長経験者など4人を雇止め

<その他、救助体制>
・当時海水温4℃、悪天候
・搭載していた救命胴衣などでは、沈没した場合、生存できる時間は約30分
・今回の事故で、海保のヘリが現場上空に到達したのは、通報から約3時間後