「子ども救命センター」を持つ、手稲渓仁会病院。
 24時間365日、道内では受け皿が少ない重篤な子どもを受けいれています。
 医療を受ける子どもや家族の支援をするCLS=チャイルドライフスペシャリストの千葉梓さんも、救急医療に関わる一員です。


看護師長
「家族も危機的状況。家族やお子さんの様子を一緒に共有しながら、ケアや治療にあたることはすごくメリットだと感じている」

 集中治療室に入り、一時は人工呼吸器もつけていたという男の子です。

男の子の母親
「パパに持ってきてほしいものとか考えようね」

 入院直後しばらく、お母さんも治療の関係で面会できませんでした。

男の子の母親
「(千葉さんから)写真を持ってきていいよって言ってもらって、この猫の写真とか。『痛いことしない人』っていう感じなのかなって」

 千葉さんは今日も、子どもと家族の笑顔を守り続けます。


 手稲渓仁会病院で、共に小児救急の現場に携わる和田宗一郎医師は、CLSの役割を「子どもにとって最も大事なことを子どもの声として拾い上げてくれる存在」と話します。

 そんなCLSの役割ですが、多くの場合、子どものケアを看護師や保育士、家族が担っているのが現実です。
 背景には、日本はまだ、治療中心の仕組みが主流という実情があります。

 「チャイルドライフスペシャリスト」という言葉を初めて聞いたという方もいるかと思いますが、医療の現場に欠かせない存在として広く周知されて欲しいと思います。