去年、北海道の知床半島沖で発生した観光船の沈没事故を受けて、海難事故の際にいち早くSOSを発信するシステムの実験が北海道羅臼町で行われました。

システム開発のきっかけは、身近な人の海の事故でした。

1月23日、知床の羅臼町では、地元の漁師や観光船の事業者らが集まり、新しい海難救助システム「よびもり」の実証実験を行いました。

「よびもり」は、船から人が海に落ちた際に、首から下げた端末のボタンを押すだけで、SOSが発信できるシステムです。

ボタンを3秒間押すと、システムに登録されている仲間の漁師や家族などのスマートフォンのアプリに、GPSの位置情報が送られ、救助を求めることができます。


実証実験では、要救助者に見立てたブイに「よびもり」をつけて海に流し、アプリの位置情報を手がかりに捜索。
SOS発信から15分で、要救助者のいる海域に到着しました。


知床羅臼観光船協議会・長谷川正人会長は、「落水者を早く助けるために非常に有意義だということは今やってみてわかった。これがあったら助かっただろうなという事例が何件もある」と話します。

「よびもり」を開発したのは、オホーツクの紋別市出身の千葉佳祐さんが代表を務める、福岡県のベンチャー企業です。

きっかけは、身近な人の海の事故でした。