「海氷がない」トッテン氷河の融解と海面上昇の危機
観測対象の中でも特に重要な「氷」。2019年と今回、観測隊長を務めた北海道大学低温科学研究所の青木茂教授は、現場で大きな異変を感じ取っていました。
北海道大学低温科学研究所 青木茂教授
「昭和基地も海氷の表面が例年以上に解けていました。非常に不安定な状況で印象的でした」

近年、青木教授が特に注目しているのが、南極大陸の東側で最大級と言われる「トッテン氷河」です。
北海道大学低温科学研究所 青木茂教授
「一番懸念されるのは海面上昇です。海面上昇に換算すると4メートルくらいの氷があり、数百年という時間スケールで流出する可能性が指摘されています」

現在、トッテン氷河の沿岸部では、せり出した棚氷の下に比較的温かい海水が入り込んでいます。これにより氷河を抑える氷が底から解け、ストッパーが減ることで流出が加速してしまいます。
北海道大学低温科学研究所 青木茂教授
「昔に比べて、海が氷河をとかす熱が多くなっているのではないかと考えています。こうした観測を継続していくことが大事です」







