死刑にでもなんでもしてほしい

花束が置かれた公園(北海道江別市・2024年11月)

7月23日の検察側の証拠調べで読み上げられた長谷さんの母親の供述調書には、突然、家族を奪われた深い悲しみと憎しみが綴られていました。

母親は、長谷さんについて「息子はいつもニコニコしていて天使のような存在でした」「警戒心が強く、ヤンキーのような子にも近づかず、たむろしている人たちも避けて通る子でした」と振り返り、暴力とは無縁の心優しい青年であったことを語りました。

そして、長谷さんの死亡を知った時の絶望を「亡くなったのが宝物である息子だとわかり、電話に出ていた夫は目頭を押さえながら『くそ、くそ』と泣きだし、周りを気にする余裕がなく、涙が枯れるまで寮で私と娘も泣きました。絶望という言葉がぴったりでした」と表現。

さらに「なぜ1か月で殺意が芽生えたのか。他の5人はあかの他人で殺意があったとは考えにくい。なぜとがめる人がいなかったのか。救急車を呼ばないのか。残念でなりません。息子の最期は絶望以外の何でもありません」と、理不尽な暴力に対するやり場のない怒りを吐露しました。

「犯人に対しては厳罰を望み、死刑にでもなんでもしてほしい、刑務所から一生出られないようにしてほしい」という言葉には、家族を奪われた深い悲しみが刻まれていました。

何の落ち度もない20歳の若者の未来を、集団による理不尽な暴力で奪い去った事件。

法廷での審理を経て、検察側は、7月27日、当時17歳の少年に懲役30年を求刑。3日には、主犯格とされる当時18歳でアルバイトだった男に対し、無期懲役を求刑しました。

「ゆがんだ正義感」を振りかざし、「集団モード」の中で暴走した若者たち。

自らの罪から目を背け、責任を押し付け合った彼らに、司法はどのような判断を下すのか。

主犯格とされる男と当時17歳の少年に対する判決は、7日に言い渡されます。

札幌地裁

起訴状によりますと、主犯格とされる当時18歳のアルバイトだった男は、当時17歳の少年ら男女5人と共謀し、2024年10月25日から26日にかけて、長谷知哉さん(当時20)の顔や腹部を多数殴る蹴るなど暴行。

さらに「全部出せ、全額」「クレジットカードもな」などと脅迫して暴行を加え、現金やカードなどを奪い、長谷さんを外傷性ショックで死亡させたうえ、奪ったクレジットカードでたばこなどをだまし取ったほか、キャッシュカードで現金12万7000円を引き出したなどとして、強盗致死や詐欺、窃盗などの罪に問われています。

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《連載②》「ばかにされた」「まだやって」暴行の呆れた理由
《連載③》「カツアゲの最悪版だ」検察官が被告の身勝手な主張を一蹴
《連載④》精神鑑定で判明した”集団モード”と”ゆがんだ関係性”