殺人での立件「死因の特定」が重要に
Q:殺人を立証する場合は死因の特定も必要になると思いますが、それが特定できなくても殺人で立件できる可能性はあるのか。
A(元検察官・中村浩士弁護士):原則やはり死因を特定できないと、殺害態様、ひいては故意、ここが明らかになりませんので、起訴それから有罪のハードルというのは相当に高くなってしまう。無罪のリスクが高いことになりますよね。
ただ、完全に死因を特定できなくても、被告人の行為によって死亡したんだということが合理的に推認されるというところまできちんと立証ができれば、必ずしも死因の特定ということは、実務上厳格な要件が課されてるというものではないので、不可能というわけではないとは思います。
Q:殺人が証明できない場合、死体遺棄や死体損壊の疑いで逮捕するのが精一杯なのでしょうか?
A(元検察官・中村浩士弁護士):やはり殺人で起訴する場合には、死因の特定というのが重要になってきますので、その特定ができずに死体遺棄あるいは損壊だけで起訴を諦めるというケースは実務上非常に多いんですよね。
ただ今回の場合、遺体自体が存在しないとなると、やはり死亡事実、それから遺棄、遺棄にあたっての運搬、こういったところを裏付ける客観証拠ですよね。失踪前後の生活実態、これを見て、もう死亡してることが明らかだということを裏付ける客観証拠。あるいは血痕が残ってる車両の捜索によって、そういった状況を証拠化して、死体を運んだということを推認させられるかどうか。そういった証拠収集の積み重ねというのが非常に重要になってくるかなと思います。
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