◆《北海道で最大面積の北見市…財政ピンチの元凶は?》
札幌市よりも広い面積を持ち、約11万人が暮らす北見市。市道や水道管の長さ、図書館、体育館、市立保育園の数など、いずれも北海道内で最大規模だけに、維持するための負担も重い。

北見市 辻直孝市長(2025年6月)
「施設の休廃止・集約化・複合化の議論を早急に進め、しかるべき時期までに判断していきたい」
北見市が直面する財政難の問題。すべての始まりは、2006年の大合併にあったと指摘する人物もいる。当時、北見市との合併に参加しなかった訓子府町の元町長、菊池一春さんだ。
元訓子府町長 菊池一春さん
「貧乏の北見と、貧乏な訓子府が結婚して金持ちになりますか?と言った。なるわけねぇじゃないそんなの」「俺が4期16年、町長をやっている間に、合併後に北見市長は、神田、小谷、桜田、辻と4人も変わった。4人やると新しい事をやろうとするしょ!?」

1999年から2010年にかけ、国が推し進めた“平成の大合併”。北海道では212あった市町村が179となった。合併すれば、国に借金しても“3割の返済だけで済む”、そうした優遇措置が、自治体には用意された。合併特例債である。
元訓子府町長 菊池一春さん
「政策的に合併特例債を使おうと、過疎債を使おうと…そうすると借金がどんどん膨れていく。おまけに“ふるさと納税”が…あぶく銭みたいな金が入ってくる。それで何とかやれるだろうと」
いわば“7割引で買い物ができる”。合併特例債は、地方自治体にとって魅力的だった。
北見市では合併後、市役所の建て替えに活用するかが、市長選の争点にもなった。新庁舎のほか、常呂カーリングホール、そして山の水族館など…。
公約実現のため、市長が交代するたびに、合併特例債が使われ、気がつけば、国からの借金は、大きく膨れ上がっていた。
北見市民
「合併したら協力できていいのかなと思ったんですけど、そうじゃないんだな」
「地域の切り捨てじゃないけれど、ある程度に集約するというのが、もっと昔にしておくべきだったんだろうなと思った」