◆山火事に強い危機感
神田会長は、岩手県大船渡市で発生した大規模な山火事を目の当たりにし、住宅地にまで火が広がったり、釧路湿原が焼け野原になったりするのではと、強い危機感を抱いている。
・釧路市環境審議会 神田房行会長
「去年の枯草の葦が燃えると、あっという間に広がって、1日から2日で湿原全体が火事になる」
そんな住民の不安を解消すべく、いま釧路市に新たな動きが…
・釧路市 鶴間秀典市長(3月6日議会)
「スピード感を持って、条例化を進めていくということに変わりはありません」
現在、釧路市では、太陽光発電所を規制するための条例案を作成しており、市内全域を許可制にしたり、廃棄費用の積み立てや損害賠償責任保険の加入を義務化するなど、6月の議会への提出を目指している。
◆条例制定前に“駆け込み”設置か
しかし、市の動きの裏で、さらなる問題が発生しているという。
・釧路市環境審議会 神田房行会長
「ここにきて、建設業者が条例ができる前に駆け込みで、太陽光パネルの設置をやってしまおうというのが大問題で、なんとか止められないだろうかと」
なんと釧路湿原では今、条例が制定される前に、太陽光発電所を建設しようと、駆け込みで工事が進められているという。
10年後、釧路湿原は、どの様な姿になっているのか?
《調査結果》
3月21日、釧路市は、オジロワシの営巣に影響する可能性が高いことから文化財保護法に基づき、少なくとも5月下旬まで建設予定地に入らないように、設置業者に対し通告しました。
すると設置業者は、1日、釧路市役所を訪れ、計画の一部を変更することを伝えたということです。
しかし、猛禽類医学研究所の齊藤代表によると、修正案でも営巣地から500m以内に工事予定地があり、オジロワシの営巣に影響を及ぼすと指摘しています。
釧路市では、ソーラーパネルを規制する条例を現在作成中ということですが、環境への配慮と地域の理解を得たうえで、制定してほしい思います。