◆現地は絶滅危惧種オジロワシの生息地
さらに釧路湿原のすぐ近くには、2万5000平方メートルにも及ぶ巨大なメガソーラーの建設計画が進行しているのだが…
・猛禽類医学研究所 齊藤慶輔代表(3月)
「オジロワシがいることも事業者は認識していて、事業地から5mとか6mしか離れていないことも把握している」
そう語るのは、環境省からの委託で、傷ついたオジロワシやオオワシなどの治療をしている猛禽類医学研究所の齊藤慶輔代表だ。
齊藤代表らの調査で、建設予定地からわずか5mほどの場所に、オジロワシが巣を作り、十数年も子育てしていることが明らかに。
オジロワシと言えば、絶滅の危険が増大しており、法律でも保護されている貴重な鳥だ。
・猛禽類医学研究所齊藤慶輔代表
「間違いなく影響が出ます。(工事の影響で)巣を捨てる可能性は十分にあるし、巣立った幼鳥がソーラーパネルの陰に隠れてしまって、親からエサをもらえないで、最悪、餓死する。それが5mとか6mという距離です」
齊藤代表は、工事の騒音や人の往来、そして設置されたソーラーパネルの影響で、幼鳥が命を落とすことを危惧し、署名活動を行っている。
◆設置業者は「法令を遵守して手続きを進めている」
一方、メガソーラーの設置業者は取材NG。
ただ、2度開かれた住民説明会では…
設置業者は「法令を遵守して手続きを進めています」「繁殖期を避け騒音の少ない重機で工事を行うので、オジロワシへの影響はない」と話していた。
だが、さらなる問題を指摘する声も…

・釧路市環境審議会 神田房行会長
「今、ソーラーができると、火災が起きるリスクが非常にある。悪くすると、市街地の方まで広がって、市民の生活に直接影響する可能性が高いので危惧している」
実際に去年、鹿児島県のメガソーラー施設で、鎮火まで20時間以上かかった大規模な火災が発生するなど、全国各地で太陽光発電所の火災が頻発しているのだ。
そして感電の危険性があるため、消火に時間がかかるという問題も。