自主返納する高齢者がいる一方、車なしでは生活できず運転し続ける人も

名古屋市緑区に住む、79歳の内木千枝子さんも免許を返納した1人。

(内木千枝子さん)
「(事故が)起きてからでは遅いと思う。悔しいですけど、一歩手前で返納した方がよいのでは。ちょっと寂しい。すごく寂しいです」

内木さんは免許を返納して、30年間続けてきた車の運転をやめました。週に1 度は通っているコーラス教室も車では行けなくなり、今までは車で30分だった道のりを1時間に3本しかないバスで1時間半かけて教室へ通います。

(内木千枝子さん)
「それ(歌)がないと何も刺激的なことがない。なんとか維持していきたい」

内木さんの生きがいにもなっている「歌」。しかし、免許を返納した今は教室に通うのも一苦労です。

(内木千枝子さん)
「車でしか行けない買い物もある。そういうところが悔しい。家族に負担をかける」

一方で、簡単に免許を手放せない人もいます。愛知県津島市に住む82歳の加藤君子さんは、子どもは近くに住んでおらず 1人暮らし。車なしでは生活が成り立たないといいます。近所に住む83歳の友人を車に乗せて、病院へ向かいます。

(加藤君子さん)
「全部が全部80(歳)以降は返納だなんて、とんでもないこと。生活できない」

楽しみのカラオケも、車でないと行くことができません。

(加藤君子さん)
「趣味は、年をとって有るのと無いのとではものすごく差がある。人間、生き生きしてくる、好きなことをやれると」