人との関わりが苦手な自分を変えてくれた「介拓」

この制度を利用した1期生は、服部さんを含め17人。その中には目標を見つけ、前に進む人もいます。愛知県東海市に住む岡谷若葉さん(18歳)も、介拓プログラムの1期生で貯めたお金を学費に、4月から写真の専門学校へ通っています。

岡谷さんが「写真で生きていく」と決めたきっかけは、初めてマニュアル撮影でうまく撮れた「夜桜」でした。この写真を撮った時、自分の将来が色鮮やかに見えたといいます。

(介拓奨学生・岡谷若葉さん)
「何回もここに来たんですよ。上手に撮れなくて『どうやって撮るんですか?』とか聞いたりして、設定を変えてみたらキレイに撮れた時とかにめちゃめちゃ楽しいなと思って。もっと写真を学びたいと思って。一番楽しいです。何してる時よりも写真撮ってる時が一番楽しい」

小学生の時に親が離婚。中学3年間はほとんど学校へ行かず、高校も通信制でした。人との関わりが苦手だった岡谷さんにとって、介拓プログラムは自分を変えるきっかけに。カメラマンを目指しつつ今も週2回、介護施設でのアルバイトを続けています。

(介拓奨学生・岡谷若葉さん)
「金銭面も負担してくれるし、交通費も出してくれて友達もできたっていうので、すごく良かった。資格も取れたし、その後もバイトできているのもありがたいなって思う。人と関わるのが苦手だったりしたんですけど、いまもめちゃめちゃ明るいわけじゃないけど、『前より明るくなったね』って言われるくらいにはなった。それは介拓を経験して、友達ができたりとかしたので『介拓』のおかげだと思います」

コロナ禍で格差や子どもの貧困が広がる中、人とのつながりを学びながら、経済的な支援もする民間の奨学制度は、若者の将来を照らす灯りとなっています。

CBCテレビ「チャント!」5月2日放送より