赤く光る鋭い目、オオカミ型ロボットが睨みをきかすのは、農作物を荒らすイノシシなどのけものたちです。かつて取材したそのオオカミ型ロボットが、3年の月日を経て進化を遂げました。
13日に千葉市の幕張メッセで開かれた農業イベント。期間中、農業を支える様々な最先端ロボットが展示されました。
(記者)
「農業技術に関する様々な出展ブースがありますが、今回我々が注目したのはこのブースです」
これは獣害対策用ロボットで、その名も「モンスターウルフ」。
2016年に北海道の町工場が開発。およそ70種類の音と点滅するLEDで、農作物を荒らすシカやイノシシなどを威嚇して、追い払うというもの。
(開発した太田精器 太田裕治社長)
「『ただのオオカミのかかしでしょ』と言う人もいましたが、現在130台ほど固定式のウルフは出ています」
しかし今回、大手自動社メーカーとタッグを組んで自走するオオカミ型ロボットがお披露目されたのです

(スズキ Eモビリティ開発部 林邦宏さん)
「電動車イスを50年ぐらい事業でやっているが、農業に使えるのではないかと活動を始めた」
今年の春から開発に共に取り組んだというオオカミ型ロボット。この秋、農作業用車両が進化を遂げたのです。
(開発した太田精器 太田裕治社長)
「名前は『ウルフムーバー』と言います」
(記者)
「イノシシの目線に近い状態で見てみます。かなり威圧感があります」
自走可能なので、夜のパトロールも期待されています。

実は、いまから3年前の2019年に、CBCは進化する前のモンスターウルフを取材。
目的地は三重県鳥羽市の離島・答志島(とうしじま)でした。
答志島で拡大し続けていたイノシシによる被害。「モンスターウルフ」は島民を救うために導入が決まったのです。