島で記者が目にしたものは…
(記者)
「いたいたいた。すごい数のイノシシがいます」
答志島の人口はおよそ1860人。漁業と観光の島です。本土から1キロほど離れていますが、周辺の離島も含めて2010年頃からイノシシの姿が見られるように。

(島民 2019年)
「出とるよ いつも。答志島の人口よりイノシシの方が多い」
本土で増えすぎて、エサを求めて海を渡ったイノシシは、島のあちこちの畑を荒らし、深刻な被害が。
そこで「モンスターウルフ」を開発した、北海道の太田さん自らが島で組み立て、納品。
Q.これは毛ですか?
(開発した太田精器 太田裕治社長)
「毛です。女性が使う毛皮の人工ファーです」
体長65センチ。センサーが動くものを感知すると、目が光り、大きな音で威嚇。
(モンスターウルフ)
「ブーンブーンブーン」「ワンワンワンワン」「お前だけは許さない」
イノシシは島の小学校の校庭にも。
このため、モンスターウルフは校庭の片隅から山の方向に睨みをきかせ、そのおかげか…
(答志小学校 福井光生校長 2019年当時)
「(イノシシは)出てない。足跡がない。地面の掘り返しもなくなりました」
そして月日が流れ、島民を守ってきた「モンスターウルフ」は今やこんな姿に…。
この3年の間に人里でイノシシを見ることはほとんどなくなったとのこと。豚熱の影響が大きいといいます。
しかし、鳥羽市役所によりますと、去年4月からの一年間で28頭のイノシシが捕獲され警戒は続いています。

(太田精器 太田裕治社長 13日幕張メッセで)
「今度動くことによって、島中を巡回するような姿を見たい」
今後はGPS機能を搭載し、自動走行させることで、獣害に悩む農家の負担軽減につながればといいます。
目指す理想は、命を奪わずに追い払うこと。今後、実証実験を重ねて「ウルフムーバー」の活躍が期待されます。