的中率95%!来客予測システムで仕入れロスを大幅カット

さらに小田島さんが考案したのは、ある画期的なシステム。調理場にある大きなモニターには、その日何人お客さんが来て、どのメニューがどのくらい注文されるかという予測が表示されています。
(ゑびや 小田島春樹社長)
「現場で働く人たちが、きょう何人客が来るのか、どの料理がいくつ出るのか、(予測を)すぐ見ることができる」
これまで勘に頼っていた来客予測を、過去のデータと、その日の天気などから割り出すシステムを作ったのです。
(ゑびや 小田島春樹社長)
「朝から雨が降るパターンと連日降り続けるパターンで、だいぶ客足が変わってくる。晴れたら行こうというのが、ここ(伊勢)に来る人のパターンだと思うので、天候は大きな要素」
その日の予測客数や販売予測、前日のアンケートの内容は、朝会でスタッフ全員に伝えられ、調理場のモニターにも常に表示されています。
(従業員)
「システムが入ってからは、数字に沿って仕込みや準備をしているのでロスが減った。特に白米を予測するのが大変だったが、廃棄量が減った」
来店客予測の的中率は、約95%。この予測をもとにした仕込みや仕入れでも、無駄な経費を大幅に減らせるようになりました。
全国の飲食店にも売り込み中!次世代の飲食店の形をDXで先取り

現在、この予測システムを全国の飲食店に売り込む新規事業も始め、既に300社に導入されています。
(システムを導入した愛媛県のマルブン 眞鍋一成社長)
「(愛媛で)イタリアン、洋食、海鮮丼の店をやっている。『ゑびや』を見て『こんなやり方があるんだ』『この時間3人しか客が来ないから、30分出勤を遅らせても大丈夫』と。以前よりマイナス2人くらいで営業できるように変わった。次の時代の飲食店の形、マネジメントだと思っている」
「ゑびや」の売上は、昨年8億5000万円で、小田島さんが入った時と比較して、約8倍になりました。さらに、経費を除く利益は10倍になっています。
(ゑびや 小田島春樹社長)
「中小企業だから(新しいことを)できないというのは真逆で、大企業の方ができない、絶対に。ここは時代の転換点だと思っていて、新しい情報を吸収しようという心があれば、中小企業の経営者の方が有利だと思う」
「100年の歴史」と「最先端のDX」で勝負する老舗食堂。お伊勢さんのおはらい町をこれからも支えていきます。
CBCテレビ「チャント!」4月2日放送より