毎回フィルムで個包装する「ラップポン」 臭いも閉じ込める

(日本セイフティー・外山ゆう子さん)
「水を使わないで、排せつ物を一回一回フィルムの中にくるんで個別包装して、臭いも菌も漏らさない。自動で密封してくれるトイレ」

もともと介護用に開発された、この簡易トイレ「ラップポン」。

ボタンを押すと、排泄物が入ったフィルムを熱で圧着。1回ごとに自動で密封できるんです。

刺激臭のあるアンモニアを混ぜた水300ミリリットルを尿に見立て、凝固剤を入れたうえで、実験してみると…

(牧野恵美記者)
「尿特有のアンモニア臭がする状態です」

飛び散った尿も閉じ込めます。

(牧野記者)
「密封されているので臭いも全く感じません。尿も固まっていますね」

水が使えない能登半島地震の被災地に約650台搬入された、この「ラップポン」。

輪島市にある、こちらの介護施設では、地震が起きてから13日目に設置されました。ラップポンが来るまでは、川からバケツで水をくんでトイレを使っていたといいます。

(もんぜん楓の家・岡山人美施設長)
「座面以外は袋が全体を覆ってくれているので臭いがしない。水がなくても大丈夫。電気さえあればOKなので、とても便利」

先ほどの電動式のものは約20万円と、値が張りますが…

手動で密封できる、約3万円のタイプも販売されています。

忘れがちですが、実は重要な「トイレの備え」。選択肢も増える中「備蓄の落とし穴」のままにはしておけません。