乗馬の後はブラッシングとエサやりで馬と心を通わせる

15分程馬に乗った後は、ブラッシングを行います。声をかけながら、やさしくブラシをかける咲貴さん。そして、馬たちに餌を与えます。これもセラピーの一環で、単に乗り物として扱うのではなく、馬と心を通わせることが大切だといいます。

ここで9年間セラピーを受けている咲貴さんは、当初に比べて体幹の力がついてきたといいます。セラピー後は、保護者と成果の確認も行っています。

(ピッコロファーム・長江久美子さん)
「できたことや、ここはもっとトライしてみようだったりを記録に残して、次につなげていくという感じ。保護者の見ている感想とかは、すごく私たちも参考になるので」

(ホースセラピー歴9年・小林咲貴さん)
「(Qホースセラピーは楽しい?)楽しい。たまに嫌だなと思うよ。だけどワクワクの方が勝っている」

セラピーに付き添っている咲貴さんのお父さんは…。

(咲貴さんの父・小林将貴さん)
「自分も馬に乗らせてもらったが、馬の複雑な動きが体幹に良い刺激になるというのが実感できたし、体幹を鍛えるリハビリというのはなかなかできない。普段のリハビリに加えて、プラスアルファでリハビリができるっていうのはいいかなと」

精神的・身体的効果だけでなく社会性も身につく

ホースセラピーを研究する東京農業大学の川嶋舟准教授は、馬に乗ることで精神や身体機能が向上するだけでなく、社会性も身に付くと話します

(東京農業大学大学・川嶋舟准教授)
「1つ目が身体的な効果。(馬に)騎乗している時の腰から上部の動きと、人間が歩く時の動きは非常に似ているというふうにいわれていて、まひなどがあるとバランスを取りづらいが、それが馬に乗ることによって取りやすくなる。2つ目はメンタルの面。いろいろな活動の中で、自信を持ってもらう。自分ができたという実感を与えることもできる。3つ目の効果として社会的な効果。社会で生きていくにあたって、いろいろなことを学ばなくてはいけない。そういうことを、馬を通じた活動で学びやすくなって社会への適応性を獲得する」

ピッコロファームでは現在、約50人がホースセラピーを利用していて、問い合わせも増えているといいます。

(ピッコロファーム・長江久美子さん)
「これだけ大きな動物と触れあえる場所もそうないと思うので、私たち自身、居心地のいいところを皆さんにもお伝えしていきたい」

人が馬の力を借りて、心と体を癒してもらう「ホースセラピー」。今後さらに利用の場が広がっていくかもしれません。

CBCテレビ「チャント!」2月20日放送より