小学生の頃、車にはねられる交通事故に遭い、一時意識不明の重体に。
一命は取り留めながらも、身体的な障害と脳の障害が残った女子中学生がいます。
「新しいことがなかなか覚えられない―」。
これまでと違ってしまった自分に戸惑ってきましたが、時間を経て、少しずつ今の自分を受け入れられるようになりました。
中学3年生、矢曳未来さん。
障害がある自分を認めたことで、1つの「夢」が芽生えました。

「私は障害を持っている障害者だ。生まれつきではなく、6年前に交通事故に遭ったことで後遺症が残ってしまったのだ――」

鳥取県米子市の中学3年生、矢曳未来さん。
この日、未来さんの姿は、米子市立東山中学校の放送室にありました。

校内放送を届ける未来さん

矢曳未来さん
「きょうの献立は大山小麦コッペパン、牛乳、白花豆コロッケ、ツナサラダ、ミネストローネです。ミネストローネはイタリアでは代表的な家庭料理の一つで、具沢山のスープという意味があります」

毎週金曜に校内放送を担当するのが放送委員としての彼女の仕事です。

矢曳未来さん
「私もともと目立ちたがり屋なんですよ。だからそういうなん、好きなんです」

決して滑らかではない、ゆっくりとした足取りと話し方。
未来さんには、身体的な障害と脳の障害があります。

しかしそれは、生まれつきのものではありません。