車上型の「制御付自然振り子方式」は、車載のセンサー情報と線形データを照合することで適切なタイミングで台車内のアクチュエーターにより車体を傾け始めます。これにより車酔いの原因となる振り子機構の作動遅れをなくし、また線路側に新たな装置を設置するなどの必要もないメリットがあります。

JR西日本や鉄道総合技術研究所などが開発した技術で、実用化するのはこの273系が全国初です。
従来の381系も同じ「自然振り子方式」ですが、制御付きでないため、乗り物酔いしやすいと敬遠されることも多くありました。
このため新型の273系では乗り心地が大幅に改善され、381系に比べ、乗り物酔い指標が最大23%改善。酔いにくいとされることから、松江や米子など山陰の中央部から山陽、京阪神方面に出る鉄道ルートの競争力向上に寄与すると期待されます。
【写真を見る】【初公開】特急やくも用「273系」新型電車 乗り物酔い指標、最大23%改善
一方、車内はというと、グリーン車は明るく空間の広がりを感じる黄色、普通車は沿線の山々をイメージした緑色をベースとしています。