鳥取県倉吉市の2つの小学校が統合して2023年4月に開校する新しい学校名をめぐり、市議会で一旦は決まった校名の再考を求める議案が、住民直接請求により、市長から提案されました。
校名問題が揺れていることに伴い、思わぬところにも影響が出ています。
倉吉市議会12月定例会最終日の19日、提案済みの全議案を採決した後、広田市長から、ある議案が追加提案されました。

倉吉市広田一恭市長
「倉吉市立小学校及び中学校設置条例の一部を改正する条例の廃止についてご説明申し上げます」
2023年4月に倉吉市の「成徳小」「灘手小」の2校を統合してできる学校の新校名について、統合準備委員会は、事前に市民から案を募集しました。

寄せられた341件の応募のうち、150件が地元の地名にちなんだ「打吹(うつぶき)」でしたが、その後の検討を経て決まった校名は「至誠小学校」。新校名を定める条例案も9月の市議会で可決されました。

しかし、「至誠」の名前には、応募が1件しか無かったことから、決定過程の不透明さを指摘する声が高まり、住民グループが新校名の再考を求める署名活動を実施。
直接請求に必要な、有権者の50分の1にあたる764人を大きく超える4815人分の署名を集め、12月9日、広田市長に直接請求しました。
19日の市議会では、議案に加える市長の意見の内容が注目されました。

倉吉市 広田一恭 市長
「(成徳地区・灘手地区)両地区の代表による協議の結果を尊重しつつも、同時に本市の小学校、市の公の施設として、両地区以外の市民の方の声にも耳を傾ける必要があるのではないかとも考えた」
市議会は12月議会の会期を延長し、21日に住民団体の代表が意見陳述し、市議会議員が団体などに対して質問を行います。
そして22日に、条例廃止案の採決が行われます。

新校名の再考を求める住民直接請求の会 深田哲士 共同代表
「意見陳述では、第一に『市民の声を聞け』ということ。『民意に従ってくれ』それだけを言おうと思っています」