丹野智文さん
「家族が心配をして、どうしても1人で出かけるのを禁止してしまったり、財布を持つのを取り上げてしまったり。
認知症であると、本人に失敗させないようにっていうことで先回りをしてしまう。そうすると、今度は家族や支援者がいないと何にもできなくなってしまう。」

悩み、苦しんでいた丹野さんを変えたのは・・・

丹野智文さん
「認知症を持つ人の家族の会に行って、そこでたまたま広島から来た認知症の当事者との出会ったんです。
その人はもう認知症になって6年経ってました。笑顔で元気で人に優しい人でした。この人のように生きてみたいなと思ったことが、私が前向きになるきっかけでした。」

“認知症になっても、できることはたくさんある”
そのことに気づいた丹野さんは、認知症を受け入れ、認知症とともに生きる決心がついたといいます。

丹野智文さん
「認知症になって症状が出たときにどうするのが一番いいか。工夫するんですよ。まずは人に助けを求めてもいいです。
私の工夫は、今は“携帯電話”です。ほとんどが携帯電話で、脳の一部になっております。こういうところに泊まりに来て、朝何時に迎えに行くよって言われても、記憶にありません。どうしてるか…アラーム鳴るようにしてます。
うまく使うことで認知症になっても困らないんですよ。」