この日、西村さんが訪れたのは、三条市の縫製会社「塩野谷縫製」の倉庫。

【西村隆行さん】「これ皮ですか?」
【塩野谷豊社長】「合皮です」
【西村隆行さん】「合皮か…それじゃ、これも合皮ですね。これはビニール系ですかね?」
西村さんは、燕三条地域の企業を中心に商品のデザインやブランディングを手掛けています。取引先の多くは『製造業』で、数々の現場を訪れる中で工場や倉庫に眠る『ハネモノ』の存在を知りました。

【塩野谷豊社長】「特注でドンと作って、お客さんの為に作ってはあったんですけど、売れなくなってしまって…」
【西村隆行さん】「余っちゃった?」
【塩野谷豊社長】「そうですね…」

【グラフィックデザイナー 西村隆行さん】
「見る人から見たらゴミなのかもしれないですし、塩野谷さんから見たらゴミなのかもしれないですけど、こっちから見ると宝の山だなって。そんな感覚、ワクワクですよね」
塩野谷縫製の塩野谷豊社長は、西村さんから本来なら処分したり売れ残ったりするものを「再生する」と聞き、驚いたそうです。

【塩野谷縫製 塩野谷豊社長】
「意識的にも、西村さんに言われる前はそれこそ『ただ捨てるだけ』のものだったので、ありがたいというか、とてもいいことだなと思います」

プロジェクトの構想から3年。
塩野谷縫製など取引先の協力もあって、今年4月に3種類の商品を製作しリリースしました。