北朝鮮による拉致被害者の蓮池薫さんが新潟市の学校で講演会を開催しました。
生徒に伝えたのは「解決するなら今しかない」という切迫感です。
【蓮池薫さん】「もう怒り、恐怖、全て込めて、何でこんなことするんですか、助けてよ。日本に帰してくれ」

蓮池薫さんの講演を聞いたのは新潟明訓中学と高校の生徒およそ380人です。

国際理解をテーマとした授業の一環で講演会が開催されました。蓮池さんは北朝鮮がスパイを養成するために1970年代に多くの日本人を拉致したと説明。
1978年に、当時恋人だった妻の祐木子さんとともに柏崎市の海辺で拉致された時の状況を振り返りました。

【蓮池薫さん】「(工作員が)すいません、たばこの火を貸してください。こっちに注意が取られているときに後ろからやられた。ものすごい力でねじ伏せられました」

その後、北朝鮮で工作員への語学教育を担当し常に監視されながら生活を送ったことや、2002年、帰国が叶った時の喜びを語りました。
日本政府が認定した拉致被害者17人のうち、帰国を果たせたのはわずか5人。蓮池さんは、拉致被害者も被害者家族も高齢化しているとして早期解決を強く訴えました。

【蓮池薫さん】「我々は親子が会う、その日のために皆さん頑張ってきたんです。お子さんと会えることが拉致問題の解決だと、その後過ぎてからなんだかんだと言っても意味はない」
講演後には生徒からの質問にも答えました。
【生徒は】「すごく生の声を聞けるって貴重だったし、やっぱり文献で見たりとかニュースで見るのとは違う」

【蓮池さん】「胸にくるものがありました。今じゃなきゃ解決にならないんだよと。これを政府もしっかり北朝鮮に伝えて欲しいなと思うんです」

蓮池さんは講演会終了後も生徒との座談会を開き、北朝鮮での生活や他の拉致被害者との関わりなどについて生徒からの質問に丁寧に答えていました。