事実上の「運転禁止命令」が出ている柏崎刈羽原子力発電所について、『原子力規制委員会』が8日に追加検査の中間報告を行いました。
会合では、5月中に報告書を取りまとめて命令を“解除するかどうか判断”することも確認されましたが、山中伸介委員長は「命令解除はかなり厳しい」との見通しを示しました。

「テロ対策の不備」が相次いで見つかっている柏崎刈羽原子力発電所に対しては、原子力規制委員会が“核燃料の移動を禁止”する事実上の運転禁止命令を出し、追加検査を行っています。

8日に開かれた原子力規制委員会の定例会合では、追加検査で確認した27の項目のうち6つの項目で『引き続き改善が必要だ』と判断されました。
侵入を検知する設備が正確に作動しなかったり、取り付け器具が腐食していたりというハード面に加え、情報の一部が管理職まで伝わっていないといったソフト面の課題も挙げられました。

この6項目については引き続き追加検査で確認を続け、5月上旬から中旬には報告書を取りまとめて運転禁止命令を解除するかどうか議論するということですが、8日の定例会見で原子力規制委員会の山中伸介委員長は、命令の解除については「難しい」という見通しを述べました。
【原子力規制委員会 山中伸介委員長】「あと1,2か月という間で、今日上がってきた様々な課題が劇的に解決されるのはなかなか難しいところがある。命令解除するということがかなり難しいという意味です」

追加検査が始まってからまもなく2年がたつ中で、いまだに課題が残っている理由については…
【原子力規制委員会 山中伸介委員長】「やはりハード面だけでは解決できないような、ソフトとハードがリンクしたようなところが、どうしても最後に残ってきたのかなと…」

さらに山中委員長は、仮に命令を解除せずに追加検査を続けることになった場合には、「1、2か月で済むようなものではない」との見方も示していて、検査が長引く可能性も出てきています。