北朝鮮による拉致被害者5人が帰国を果たしてから、23年。
未だ解決に至らない拉致問題について、蓮池薫さんが高校生に「皆さんにも関係のある問題」と語りました。

2002年10月15日。
蓮池薫さん夫婦や曽我ひとみさんら、5人の拉致被害者が北朝鮮から帰国を果たしましたが、それ以降1人の帰国も実現しないまま、23年が経ちます。

【蓮池薫さん】
「我々が帰国して23年という“年数”はさほど意味を持たない。ただ、解決できない年月が“さらに1年延びた”なと」

新潟産業大学の特任教授を務める蓮池薫さんは、帰国23年となった15日に、新潟県立加茂高校で講演を行いました。

「拉致問題は皆さんにかなり関係のある問題。解決しない限り、日本と北朝鮮の関係改善も望めない」

蓮池さんは、24年間に及ぶ北朝鮮での生活などを生徒に説明。
生徒たちは真剣に耳を傾け、積極的に質問を投げかけました。

「これから社会に出る私たちを含め、若者に対して蓮池さんはどのような期待をしているのか教えてほしい」
【蓮池薫さん】
「問題をみなさんの中で話すような機会を持ってほしいし、考えを家族やみなさんと話すことも、私にとってはとても意味のあること」

「活動を継続しているその原動力となっているものは何か」
【蓮池薫さん】
「私の人生、奪われました。隠していたことを北朝鮮に全て洗いざらい表に出させる。そして拉致被害者が帰ってくる。これが北朝鮮にとって一番つらいことだが、我々はそれをさせなきゃいけない」

生まれる前に起きた問題が“今も解決していない”という現実に、生徒たちは…。

【2年生】
「まるで嘘のような話で、実際にこんなことがあったのかと今でも不思議に思うほどの悲惨な事件だが、解決されないことがとても深刻な問題だと思うので、一刻も早くこの問題が解決することを願っている」
【3年生】
「私自身が直接北朝鮮に言うことはできないと思うので、選挙活動をもとに、政治を通して解決する方向に導けるように行動していきたい」

新潟市では、11月15日に『忘れるな拉致 県民集会』が予定されています。