「特定空き家」をどうするか
まだ雪深い三条市下田(しただ)地域にひときわ目立つ住宅がありました。
家には草木が巻き付き、外壁が崩れています。

【熊谷浩太さん】「相続放棄をされた空き家で、『特定空き家』に認定している建物です」
この建物は長い間、誰も住まず放置された「空き家」。
「空き家」の中でも、この住宅のように倒壊などの恐れがあり、周辺の人たちに影響を及ぼしかねない建物を『特定空き家』といいます。

【熊谷浩太さん】「最悪の場合、外壁が崩れ落ちて中に動物が入ったり、不法侵入でそこを住み処にしたり、いろんな副次的な悪い面が発生してしまうので」

三条市でこのような「“特定”空き家」は84戸あります。「特定空き家」になると利活用は難しく、解体するにしても危険が伴い、さらに費用がかかります。

【熊谷浩太さん】「まずは『特定空き家』になる前に対処していくために、我々も発信させて頂いて、放置をしない。放置をする前に我々にご相談いただいて、次の流通に乗せるってことを啓発していますし、もしこのような形になってしまっても所有者がいれば、今は解体の補助金を出させていただいている」

“空き家問題”をさらに先へ進めるために
熊谷さんの取り組みで、少しづつ空き家の新たな活用方法が始まっています。
しかし、課題も見えてきました。

熊谷さんが中心となって行われている「空き家セミナー」。
所有者や空き家を探している人たちを対象として定期的に行われていますが、開催地域によっては参加者が思うように集まらない時もあります。

【熊谷浩太さん】「初めて三条市の栄地区でセミナーをやったんですけど、10人前後くらいだったので、参加者としてはちょっと少なめだったかなと印象ですね。少し山あいであるとか、畑とか田んぼのある地域の情報が中々上がって来なかったりだとか、出席の方も少なかったりするので、いかにそういった方々から情報を出してもらうために、我々が働きかけをして、より相談しやすい環境を作るかが課題かなと思います」

『特命空き家仕事人』としての任期は残りおよそ2年。まだまだ多くの空き家を利用したプロジェクトが進行中ということで、これからの取り組みに注目です。
三条市下田地区では、明治時代の古民家を移住者の住まいにする『古民家リノベーションプロジェクト』が進行中。
3月に完成予定で現在入居者を募集しているということです。