県は…「矛盾等がないかを各委員に確認していただき、3つの検証のとりまとめをしていただくこととしています。委員会の任務を引き受けていただいた委員長に、委員会の任務・役割をご理解頂いたうえで、委員長としての職責を果たして頂きたいと考えています」

県は池内委員長との考え方の5つの相違について資料を作成し検証総括委の各委員にメールで送っていたことが委員への取材で分かりました。そして、県も池内委員長も「次の検証総括委員会でこの5つの相違も議論するはずだった」と話しています。しかし、委員会開催の2か月前。池内委員長は県の幹部との面会でこう言われたそうです。

池内委員長】「要するに、県としてはこういう考え方であるので、これを受け入れてほしいと。そこに検証総括委員会の役割は出された検証報告書を一覧してそれをまとめるだけのことだと言われた」

5つの相違について県の考えをすべて受け入れるように求められたと話しました。

さらに、こんな発言もあったそうです。

「極論すれば県が金を出している委員会だから、県に従うのは当然だともおっしゃる。これは僕は言いすぎだと思う」

この発言について県の関係者はBSNの取材に対し、「検証委員会の予算は議会の議決を得る。県が求めていることと別のことを行えば、予算を通せなくなる、そういう類の発言はした」と話しました。

結局、21年9月に予定されていた検証総括委員会は開催されませんでした。県は「新型コロナウイルスの感染拡大が理由」としていて委員会開催の代わりに知事と池内委員長は会談を行いました。

【池内委員長】「知事はとにかくこの5点について一切、県の立場は譲れない。従ってください。私は従えないと。だから知事は総括委員会は開きません。僕は開けないんですねと言ったんですけどね」

この会談で話した内容について県は取材に対し「検証総括委員会の任務や池内委員長の意見に県の考えをお伝えしています」と回答しています。