新潟県上越市で10日午後に発生した突風について、新潟地方気象台は、現地調査の結果、「ダウンバーストまたはガストフロントの可能性が高い」と発表しました。

10日午後2時50分ごろ、上越市で発生した突風では、屋根や外壁が吹き飛ばされたり倒木で損壊するなど、建物被害が63件、窓ガラスが割れるなどの被害がおよそ100件発生したほか、三和区に住む70代の男性が転倒して背中に擦り傷を負うなど、2人がけがをしました。

気象台は11日から12日にかけて、気象庁機動調査班(JMA-MOT)として職員を派遣し、現地調査を行いました。その結果、「ダウンバーストまたはガストフロントの可能性が高いと判断した」ということです。

気象台は判断の根拠として、活発な積乱雲が付近を通過中だったことや、被害が面的に分布し、風向きが同じ方向性だったこと、当時は強い雨やひょうが降っていたことなどを挙げています。

ダウンバーストは、積乱雲から地上に向かって吹き下ろす強い下降気流で、地面に衝突すると、その勢いで風が四方八方に広がり、広範囲にわたって強風をもたらします。

一方、ガストフロントは、積乱雲から吹き出す冷たい下降気流が、地上を這うように広がることでできる冷たい空気の壁のことで、冷たい空気の塊が暖かい空気とぶつかることで、突風などが発生します。

気象庁のホームページより

新潟地方気象台では吹き飛ばされた屋根などの状況から、この突風の強さを風速およそ45m/sと推定し、日本版改良藤田スケールではJEF1に該当するとしています。

10日午後3時50分ごろには、魚沼市でも突風が発生し被害が出ていますが、気象台は「この突風をもたらした現象は、ダウンバーストまたはガストフロントの可能性はあるものの、特定に至らなかった」としています。