介護分野に詳しい、新潟医療福祉大学の渡邊敏文教授によりますと、
「収入と支出の中で、訪問介護の収支差率が1番高い。要は収入がほかのサービスよりも高いことが1つ挙げられているかと思います…」

厚労省の発表では、介護サービス全体の利益率が2.4%なのに対し、訪問介護事業は7.8%になっています。
しかし、現場からはこんな声も。
【ホームヘルプサービス穂波の里 齋藤麻理さん】
「それは都会の話であって…。何十分もかけて山の中を運転して、たった20分の援助をして、また何十分もかけて帰ってくる―、という事業所が新潟には多いと聞いています」
「全体で見た数字だけで、利益・収支が上がっていると思われるのはどうなのか」
利用者が密集している地域では多くの住宅を効率よく訪問できます。
そのため、都市部では大規模事業者が利益を出して業界全体の利益率を押し上げていますが、新潟のように移動時間がかかる地方では、そもそも、訪問が可能な数に限りがあります。

【新潟医療福祉大学 渡邊敏文教授】
「事業所自体の縮小や、訪問介護の人材がなかなか確保できないがために給料への支出が減り…という現状から、実際に事業所にとっての“大きな黒字”になっているかというと、そこはまた実態とずれているのかなと思います」