砂丘の砂は粒が揃っているために液状化しやすいうえに、被害が大きかった寺尾東では周辺との高低差を埋めるため盛り土部分が厚くなっていて、被害が拡大したと新潟大学災害・復興科学研究所の卜部厚志所長は話しています。
一方、1964年の新潟地震で液状化現象の大きな被害を受けた新潟市中央区は、今回の地震では西区に比べ被害が少なかったと言えます。
卜部厚志所長はこの違いについて、中央区では砂の地盤と泥の地盤が交互に重なっていて、液状化した砂の層が薄かったことが要因だとしました。

卜部所長は今回の調査結果を通して、行政や被災者などに液状化についての理解を深めて欲しいとしたうえで、地下水の水位を下げたり、砂の粒を締め固めたりする液状化対策についても紹介しました。
【新潟大学 災害・復興科学研究所 卜部厚志所長】
「大学のグラウンドは今回液状化していない。調べてみると地下水の水位が地表から5mくらい下にあればいいのかなと。新潟地震に続き液状化現象による被害が、我々の町では2回おきたが3回目は…、というスタンスが大事です」

この調査結果を卜部所長は、15日午後に新潟市役所で開かれた「復旧・復興推進本部会議」で中原八一市長らに報告しました。
【中原八一市長】
「被災者の皆さんに理解していただくためには、どのように説明するとこの事業の理解をしやすくなるのか?」
【卜部厚志所長】
「今の状態の復興と、『5年くらいかかるが、西区寺尾を強くしたいんだ』というところとを伝えていくのがスタートになる」

【中原八一市長】
「液状化対策はこれからの新潟市の安心安全な街づくりのために必要であり、全面的な液状化対策をやることによって、将来はちゃんと地震にも強い西区になるんだということを皆さんからご理解いただけるような、大きな事業を実現できればと考えています」

新潟市は今年度中に、エリアごとの対策について取りまとめたいとしています。