こちらの男の子は、青森市に住む小学3年生。目の病気を治療するためにタブレット端末に触れたことで世界の言語や音楽へと興味が広がり、スペイン語や韓国語など5か国語を使ってアーティスト活動をしています。

音楽に合わせてカラフルな幾何学模様が万華鏡のように次々と色や形を変えていく映像。蛍光色のペンで描かれたかわいらしいキャラクターがプリントされたTシャツ。すべて青森市に住むアーティストLinus(ライナス)さんの作品です。



※Linusさん「こんにちは。よろしくお願いします」
Q.名前を教えてください「A.中川来之伸です」
Linusさん=本名・中川来之伸(なかがわ・らいのしん)さんは現在、小学3年生。学校が終わって帰宅するとパソコンで音楽を編集したり、紙に文字や絵を書いたりして、3時間から4時間ほど創作活動に没頭します。

※Linusさんの父 中川広樹さん
「弱視訓練で、いい方の目を隠して生活する訓練をしなければいけなかったのですが、その中でお医者さんに何でも好きなものに触れさせないと持続しないから何でも好きなことをやらせないと言われたので、iPadをわりと早いうちから与えられて、それが功を奏したのかな」

「角膜輪部(かくまくりんぶ)デルモイド」という先天性の病気で左目に良性の腫瘍があり、角膜の移植手術を受けたLinusさん。視力が弱いため、医師の奨めで訓練の一環として3歳からタブレット端末に親しんできました。
2歳で200近い世界の国々の国旗をすべて覚えた好奇心は、タブレット端末との出会いをきっかけに世界中の音楽や言語へと広がっていきます。
ここで両親は、Linusさんの発達障害に気付きました。


※Linusさんの父 中川広樹さん
「発達障害の面がありまして、どうしても突出している(得意な)面もあれば皆さんより遅れているところもあったりしている中で、それでも自分なりに成長していっている」
※Linusさんの母 中川史子さん
「こういう才能は家庭で育まれていくものが多いだろうなと思って活躍の場は作ってあげたいなと思っていました」

自閉症スペクトラムでコミュニケーションは少し苦手。でも、得意なことに対する熱量は誰にも負けません。4歳の頃からは、独学で漢字、英語、韓国語、中国語、そしてスペイン語を覚えるようになり、「お絵描き」ならぬ「お字書き」が大好きに。さまざまな言語を組み合わせて書き上げた作品は1年間で3000枚にも達しました。

