6月8日、青森県議会でも取り上げられたLGBTやLGBTIQといった多様な性の在り方。「知ることから始めてほしい」という当事者たちの思いに賛同する取り組みが広がっています。

青森レインボーパレード

「私のことは私が決める!」6月5日、“多様性”を表す虹色の旗やこうしたプラカードを掲げた人たちが青森市の中心部を1時間かけて歩きました。多様な性の在り方への理解を訴える「青森レインボーパレード」です。沿道には、虹色の旗を振る賛同者の姿もみられ、参加者は生き生きとした表情で歩みを進めていました。

※参加者は
「青森にもLGBTQの人たちがいるんだよということが伝わるといいなと思います。皆が生きやすい世の中にしたいです。」
「僕たちのような本当に何も興味のなかった人たちが、どんどん参加してもっと参加して欲しいなと思いました。」

初めてパレードを実施した2014年、たった3人だった参加者は、2022年は約200人にまで増加。「多様性を認めてほしい」と当事者たちが発信し続けた声は、行政をも動かしました。
2022年2月、青森県は、法律上は結婚できないカップルを婚姻に相当する関係と認める「パートナーシップ宣誓制度」を開始。制度の導入を求めていたのがレインボーパレードの実行委員会でした。


※青森レインボーパレード実行委員会 岡田実穂共同代表
「ずっと声をあげてきたのが2022年までかかったという事。市民の声が届くのに8年かかったという事ですよね。」「いろんな当事者たちの声を聞きながら制度を作っていってもらいたいなと思っています。」

レインボーパレードに賛同した取り組みは八戸市でも。

※岡田悠記者
「一般的な書店ではなかなか巡り合えないような本を中心に約1万冊を取り揃える八戸ブックセンター。今、ここではレジの前目立つ場所に、性的少数者に関連した本を並べたコーナーが設けられています」

八戸市が運営する書店「八戸ブックセンター」は、6月、「性的少数者」を初めて企画テーマに設定し、パレードの実行委員会が選んだ絵本や入門書など約40冊をレジ前に並べました。「オレは男のはずなのに、なぜか女の体。おまけに女子高で、セーラー服姿の毎日。」本に書かれているのは性の在り方を問いかける言葉の数々。

※八戸ブックセンター 音喜多信嗣所長
「まずは知ってほしい、理解をしてほしいというのが実行委員会のテーマでもあると思いますので、それとあわせて、本という切り口で、まずはこういうことがあるんだよといろんな角度から知ってほしいという思いです」


単純に男と女だけに分けられない多様な性があることを知ってもらいたい。ブックセンターの企画にパレード実行委員会も期待を込めます。

※青森レインボーパレード実行委員会 岡田実穂共同代表
「本当に初めて接するという人、初めて読んでみようと思った人にも読んでもらえる本をという本と、分かりやすいっていうのはもちろんだけど皆で自分にとって大事な本はどれですか?というような観点から選びました。まず知ることから始めてもらえたらなって思います。」

多様な性を認め合える社会へ。その思いが広がっています。
八戸ブックセンターは、今回の企画展を6月末までとしていましたが、若い世代にも性的少数者について知ってもらうため、学校が夏休みに入る7月以降もしばらく継続したいという意向を示しています。