青森県出身の現代美術家・奈良美智(なら・よしとも)さんが青森県立美術館のために制作した「あおもり犬(けん)」がカジノを含む統合型リゾート=IRのPR動画に無断で使われた可能性がある問題についてです。美術館は「奈良さんの思いを理解してほしい」と訴えています。
※高松 未由樹 記者
「奈良美智さんの作品「あおもり犬」です。高さは8.5メートルもあります。青森県立美術館の開館以来シンボルのような存在として親しまれています。」
「あおもり犬」がカジノを含む統合型リゾート=IRのPR動画に無断で使われた可能性があります。この問題は、奈良さん自らがSNS上で「使用を許可したことはない」と指摘し大阪府と市が事実関係を調べていました。調査の結果、動画を制作した事業者が奈良さんの許諾を得ていない可能性が高いとわかり、大阪府の吉村洋文(よしむら・ひろふみ)知事が謝罪しました。
※大阪府 吉村 洋文 知事
「本当に申し訳なかったと思います。奈良さん自身が許諾していないと発信されている以上、私はそうだと思います。」
県立美術館は、ふるさとに「あおもり犬」を制作した奈良さんの思いを理解してほしいと訴えます。
※県立美術館 美術統括監 池田 亨さん
「あおもり犬は青森にあってのあおもり犬。奈良さんがわざわざこの場所を選んで建築への理解のもとにつくった作品ですので、そういった作家の思い、美術館としての思いを理解していただければうれしい」
大阪府はPR動画の利用を停止して、他にも問題がないか調査を進めるとしています。