青森県内での線状降水帯の発生から10月2日で1か月です。
その復旧作業は、まだ続いています。
青森県鰺ヶ沢町で課題の1つとなっているのが「山間部の土砂崩れ」です。
これは、「段丘崖(だんきゅうがい)」と呼ばれる独特の地形が要因の1つだと専門家は指摘しています。

9月2日、津軽地方で発生した「線状降水帯」。鰺ヶ沢町は平年の1か月の2倍を超える雨が3日間で降り、大きな被害を受けました。
道路や住宅の冠水のほかに課題となっているのが、山間部の土砂崩れです。
山肌が大きくえぐられ、土砂が麓に流れ出している場所も多くあります。その現状を調査しているのが、弘前大学で土砂災害などを研究する鄒青穎 准教授と、地形学を専門とする小岩直人 教授です。
この日は、日照田地区を訪れ、土砂によって社殿がつぶれた高倉神社の周辺を調べました。
2人がまず確かめたのは、崩壊した部分の地層です。

弘前大学 鄒青穎 准教授
「やわらかい地盤ですが、ハンマーで叩くとこんな感じで。かなりもろい地盤です。これは傷跡です。山が崩れたときに地面に削られてできた跡です」

崩れたのは、1mほどの浅い部分だけで、土砂災害のなかでは「表層崩壊」に分類されることがわかりました。
弘前大学 鄒青穎 准教授
「斜面の表層のところ、その弱いところだけが崩れ落ちる現象です。崩れる量は少ないですが、今回みたいに広範囲の雨が降ると、あちこちで発生する。小規模ですが多発」
さらに、特徴的だったのは斜面が崩れやすい「段丘崖」と呼ばれる地形だったことです。
段丘崖は、もともと平坦だった場所が隆起したあと削られたものです。
高倉神社の周辺は斜面の角度が35度以上。
さらに、地形図を確かめたところ、過去にも土砂が崩れた場所でした。
このため、2人は高倉神社の氏子で、近くで商店を経営する安田正美さんに聞き取りをしました。

弘前大学 鄒青穎 准教授
「もしかして昔一回崩れたのかなと、そういう痕跡があって。二つ重ねている形で、古い傷のなかにまた薄く崩れ落ちたという…」
安田商店の店主 安田正美さん
「もう20年近くになるんだけれども。シートをかけて防いだ」
こうした過去に崩壊していて、今回の大雨で再び崩れた場所は鰺ヶ沢町には多くあります。

こちらは、南金沢地区の被災する前の写真で、一夜にして山肌が大きくむき出しとなり、豪雨の脅威が伺えます。

南金沢地区は、赤石川沿いの山間部で大規模な土砂崩れが発生していました。この場所の地形も段丘崖で、過去に崩れたところが今回の大雨で表層崩壊したと見られています。
弘前大学 鄒青穎 准教授
「昔も斜面崩壊が発生して、崩壊したものが残存している可能性が非常に高いです。大雨が発生する際に、そういった場所でまた(崩壊堆積物が)移動して、被害が生じることに留意する必要があります」
鄒准教授は今後、大雨が予想される場合や長雨のあとは崩壊した場所の周辺だけでなく、斜面の下側の道路や農地でも土砂の流出に注意するよう呼びかけています。
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