青森県内ではクマによる食害が相次ぎ、農家が頭を悩ませています。
こうしたなか、クマの被害に苦しむ農家を支援しようと農産物セットの売り上げの一部を寄付する新たな取り組みが始まりました。

県内ではクマによる食害が168件と、2024年に比べて6倍に増え、農作物の被害が深刻となっています。

青森市浪岡のリンゴ園では、8月下旬からクマがエサ場として認識した木に爪あとをつけるマーキングが確認されています。マーキングされた木の周辺にはクマが繰り返し出没する可能性があることから、伐採するしか方法がないということです。

津軽産直組合 斉藤篤寿 代表取締役
「(毎日)木に登ってリンゴを落として、その場で座って食べていく。爪あとをたくさん残して、ここは自分の縄張りだと強調している。とにかく怖い。(クマに)会ったらおしまいだと思っている。まともに農業できる状況ではない」

すでに30本を伐採し、リンゴの収穫量1.8トン分が減り、被害額は60万円にのぼります。

また、わなや園地でクマに遭遇した時に逃げるために用意したバギーをあわせると、対策のために使った費用も500万円を超えています。

こうしたなか、青森などで採れた規格外の「野菜」や「くだもの」などを宅配販売する東京の会社が、クマの被害に苦しむ県内の農家を支援しようと新たな取り組みをはじめました。

クマ被害にあった農家のリンゴを含めた食材が入ったセットを販売し、1セットあたり100円を寄付して、農家を支援するため苗木の購入などに充てられます。

らでぃっしゅぼーや 竹内康二さん
「次の木を植えていただくのはとても大事なこと。少しでもそれに充てていただく。すでにいろいろな対策もして費用もかさんでいるところもあるため、先々も含めた対策の足しにしていただけたら」

リンゴの主力品種「ふじ」の収穫がピークを迎えるなか、対策が急がれます。