スーパーでのコメの平均価格が13週連続で値上がりするなか、信頼性も揺らいでいます。秋田県産のコメから基準値を超える「カドミウム」が検出された問題で、コメを入荷した青森市の卸売業者は「責任を感じている」と話すとともに、出荷した県内30か所の小売店から回収を進めています。

カドミウムが検出された秋田県産米を入荷した青森市の卸売業者が、8日に青森テレビの取材に応じ、陳謝しました。

青森市のコメ卸売業者の社長
「知らなかったとはいえ、流通させてしまったことに非常に責任を感じている。本当に申し訳ないという気持ち」

入荷したのは、秋田県の農事組合法人が生産した「あきたこまち」約13トンで、国の基準値を超える「カドミウム」が検出されています。

卸売業者は、2024年に初めてこの法人が生産したコメを購入し、2024年11月~12月にかけて県内の小売店など30か所に卸したということです。

秋田県によりますと、適切な水の管理ができていなかったことが「カドミウム」検出の原因と考えられていて、社長は憤りも口にします。

青森市のコメ卸売業者の社長
「(適切な)栽培方法に則ると(カドミウムの)基準値以内に収まるはず。それをやらなかった無責任というか、農業者としての信頼というか、プロ意識が全く感じられないと思った」

消費者庁などによりますと、「カドミウム」の基準値は数十年にわたり長期間食べ続けたとしても健康に影響がないと考えられる数値として設定されています。

この卸売業者は、市場に流通している可能性がある5トンあまりのコメについて、消費者へ回収を呼びかける張り紙を作成し、対応を急いでいます。また今後は、自社で「カドミウム」の検査を実施する考えです。

青森市のコメ卸売業者の社長
「いまのような事態で消費者を不安におとしめるようなことを考えれば、いくら手間がかかっても(検査を)やるつもりです」

国はコメの流通先の調査を進め、順次公表することとしています。

「カドミウム」の基準値超え 青森県内は可能性低い

青森県内のコメ流通量のうち4割あまりを扱う「JA全農あおもり」は、青森県はコメに「カドミウム」が吸収されることは少ないとした上で、毎年検査を行っていると説明します。

JA全農あおもりは、青森県内で流通するコメのうち4割あまりの販売委託を受けています。

JA全農あおもりによりますと、青森県内の土壌は「カドミウム濃度」が高くなく、コメから基準値を超える「カドミウム」が検出される可能性は低いとしています。

また、毎年各農協から無作為にサンプルを抽出し、「カドミウム」の検査を実施しています。

JA全農あおもり 笹森俊充 副本部長
Q.県産米でカドミウムの心配は?

「ほぼないと思う。普通に使っているのであれば。最終消費者・食べていただける方に安全なものを届ける使命が販売者にはあると思うので、こういう事案を経て、ますますしっかりやろうと思う」

JA全農あおもりは今回の問題を受け、「カドミウム検査」が適切に行われているか改めて確認することにしています。