民泊を運営する東京・新宿区の会社が、条例により営業が禁止されている平日に客を宿泊させていたにも関わらず自治体に虚偽の報告をしていた疑いが強まったなどとして、警視庁が関係先の一斉捜索に乗り出したことがわかりました。

警視庁が住宅宿泊事業法違反の疑いなどで家宅捜索に入ったのは、東京・新宿区にある民泊サービスの運営会社「K-Carve Life」やこの会社が荒川区で運営していた民泊施設などです。

捜査関係者によりますと、この運営会社は、去年8月ごろ、荒川区の条例で民泊営業が禁止されている日に客を宿泊させていたにもかかわらず、区に虚偽の報告をしたうえ、業務改善命令に従わなかった疑いがもたれているということです。

警視庁が住宅宿泊事業法違反の疑いで家宅捜索に入るのは初めてのことです。

住宅宿泊事業法は、健全な民泊サービスの普及などを目的に2018年に施行されていて、自治体に届け出れば年間180日まで住宅地でも営業できると定めています。

一方で、自治体によっては、営業できる時間やエリアを条例で制限していて、今回、家宅捜索が入った民泊施設のある荒川区では土曜日から月曜日の正午までのみ民泊の営業が可能としています。

おととしから、この民泊施設では区の立ち入り検査が複数回行われていましたが、条例に違反している点を指導しても違法な営業を続けていたとみられています。警視庁は今年に入り、区から相談を受けていて、「悪質性が高い」として強制捜索に踏み切りました。

この民泊施設では、おととしから「男女7~8人の声がうるさい」「ごみが不法投棄されている」などと、110番通報が複数あったということです。

民泊をめぐっては、騒音やごみ出しなどに関する苦情が増加していることから、今年に入って規制強化を議論する自治体が相次いでいます。

警視庁は、証拠品を押収するなどし、実態解明を進める方針です。