青森県藤崎町のリンゴ園で、最大で1mを超すほどの冠水が発生しています。雪解け水が、くぼ地になった園地に流れ込んだためで、「大打撃だ」と農家は頭を悩ませています。

冠水したのは、藤崎町の岩木川沿いの土手に広がるリンゴ園です。

中澤美寿妃 記者
「園地にたまった雪解け水は、今立っている地点でも私のひざ下あたりまで達しています。所有者に話をきいたところ、3日前にはこのあたりまで水がたまっていて、その高さは約70cm。くぼ地になっているこの奥は、もっと深くなっていて1mを超え、リンゴの木に影響を及ぼしています」

冠水面積は、リンゴ農家2人の園地あわせて約0.5ヘクタールです。

3月20日ごろから降り積もった雪が、急激に溶け始め、雪解け水がくぼ地になった園地に流れ込んできたということです。

栩内栄一さんの園地では、全体の6割ほどの40本の木が水に浸かりました。栩内さんは、この園地でリンゴを栽培して半世紀ほどになり、これまでも雪解け水による冠水はありましたが、ここまで規模が大きいのは初めてだと言います。

リンゴ農家 栩内栄一さん(79)
「今年みたいにこういうのはない。(冠水は)例年30cmくらい。今年は雪が多いので溶ける量が半端ではなく、こういうふうになってしまった」

例年であれば1週間ほどで水はひけますが、2025年は2週間近く冠水しています。木が長期間水に浸かると根が腐るのをはじめ、さまざまな障害が発生する可能性が高いということです。

リンゴ農家 栩内栄一さん(79)
Q.リンゴ園にとっては?

「大打撃だ。(木を)全部伐ってやり直し。そうすると、我々みたいに年をとっていれば、生きているうちにリンゴはならないということ。残念というだけです…」

また、園地では本来ならば、この時期に行う消毒剤を塗布する作業などができず、栩内さんは対応に苦慮しています。

こうした状況を受け、藤崎町は応急措置として業者へ依頼し、4日からポンプを使って排水作業をはじめる予定です。