■昆虫食の最前線は昆虫×郷土菓子?!可能性広がる

商品の開発は県内でも進んでいます。このトノサマバッタせんべいは、弘前大学が東京の昆虫食専門企業・TAKEO(たけお)と共同開発しました。使っているのは、数ある昆虫の中でも食味がいいとされているトノサマバッタ。これを乾燥させた粉末を使っています。

※高山基彦アナウンサ―
「バッタの乾燥粉末、いただきます。想像していた味と全然違います。バッタというよりは草のいい香り、後味が抹茶です。抹茶味なんだ、バッタって。びっくり」

バッタを粉末にしたことが商品化の大きなポイントとなりました。その狙いについて、食用バッタの繁殖方法を研究し商品開発に携わった弘前大学農学生命科学部の管原亮平助教はこう、解説しています。

※弘前大学農学生命科学部 管原亮平 助教
「味を知る前に見た目でマイナス要因ができるだけ入らない形でというところが目的の一つです。まずはちょっと青森に関係したものを作りたいなと思っていました」

青森らしい昆虫食にするために、南部せんべいの専門店に製造を依頼。青森市の大成堂せんべい店がバッタの粉末を4%配合した生地を石窯で焼き上げて作っています。完成すると、見た目からは昆虫食とは分からない仕上がりです。

※弘前大学農学生命科学部 管原亮平 助教
「エビやカニという甲殻類は生物学的には昆虫に非常に近い。エビやカニは何の抵抗もなく我々は食べている。自然に食べられる環境があればハードルっは下がってくると思います。今後いろんな昆虫が選択肢の一つとなって皆さんが楽しめる環境になれば良いなと思います」

姿かたちやイメージで敬遠しがちな昆虫食ですが、工夫次第では大きな可能性を秘めた存在としてこれからさらに注目が高まっていきそうです。