藩主のカスタムメイドだった津軽塗
江戸時代に作られた津軽塗のデザイン(再現)も展示されていて、今見てもとてもモダンな柄です。


葛西さん
「江戸時代の津軽塗は、手書きで絵が入ってるっていうのが特徴です。当時は藩主のカスタムメイド。一点ものだし、手間暇もすごいかけられた時です。時代とともに一般大衆化されていく中で、背景になっている模様が抽出されて、今の産業的な津軽塗になっていきました」
技法の変遷を知る
「こんなに模様がたくさんありますけれども、全部作り方が一緒です。研ぎ出し変わり塗りという技法なんですけれど」という葛西さん。
「研ぎ出し変わり塗り」は、粘り気のある漆と様々な道具を使い、凸状の模様をつけ、漆を塗り重ねていき、ヤスリで研ぎ出すという技法です。

研ぎ出すことで、津軽塗独特の模様が浮かび上がります。わずか0.2ミリの厚さの中で表現されているデザインは、研ぎすぎると模様がなくなってしまう、緊張感ある、いわば瀬戸際の技なのだそう。津軽塗の作業は、繊細なんですね。
