5日に発表された東京商工リサーチ 八戸支店の情報によりますと、青森県七戸町の七戸通信工業(有)は、10月31日で事業を停止。事後処理を弁護士へ一任し、破産申請の準備に入ったということです。

負債総額は2025年3月期で2億1337万円としています。

発表された情報によりますと、七戸通信工業(有)は1979年4月に設立された企業で、主にコイル、トランス等の電子機器部品製造を手掛けてきたといいます。その後は、メーカーが生産拠点の海外移転を進めたことにより、受注に影響が出てきたことで、1999年からは携帯電話の販売を開始。一時は十和田市、八戸市、青森市に3店舗を構えていたということです。

また、2003年からはFC事業として焼肉店「牛角」をオープン。以降も、2005年には学習塾「ITTO個別指導学院」、2010年にはお好み焼き店「道とん堀」、2012年にはラーメン店「哲麺」、2019年にはカフェ「KEY'S CAFE」をオープンしていたということです。

これら新事業の展開もあり、2013年3月期には過去最高となる売上高6億6634万円を計上。売上構成も、本業の電子機器部品製造を新事業が上回るようになっていたといいます。

しかし、携帯電話販売は競合激化から販売が伸び悩むようになり、2021年6月までに順次店舗を閉店。また、2020年以降はコロナ禍により飲食店や学習塾も大きな影響を受けるようになり、2022年でラーメン店、2023年でお好み焼き店、学習塾を閉店。主力の飲食事業が焼肉店2店舗、カフェ1店舗となった2024年3月期は売上高2億892万円にまで減少。2025年3月期は、電子部品製造の受注復調により売上高2億2404万円と幾分かは回復していたものの、近年は恒常的な赤字から抜け出せず債務超過状態に陥っていたということです。

ゼロゼロ融資の活用などもありましたが、資金的な余力の乏しさからは抜け出せず、2026年3月期に入っても業績回復には至らなかったことで、資金繰りも限界に達し、事業継続を断念したとしています。