東京オリンピック・パラリンピックを巡る汚職事件。この事件の中心人物で、組織委員会元理事の高橋治之被告が事件後初めて、テレビのインタビューに応じ、トップだった森喜朗元会長の供述などをめぐって、裁判で争う姿勢を示しました。

森元総理「高橋さんにはマーケティングを担当してもらう」

東京オリンピックの開会式から2年半。大会組織委員会の元理事・高橋治之被告(79)がきのう(14日)、JNNの取材に応じました。

大会組織委元理事 高橋治之被告
「別になんとも思わないよ。競技場に恨みがあるわけじゃないし」

広告大手「電通」時代に培ったスポーツ界の人脈をいかすなど「東京招致の立役者」とも呼ばれましたが2022年、大会のスポンサーなど5社から総額およそ2億円の賄賂を受け取ったとして東京地検特捜部に起訴されました。

逮捕後、メディアに沈黙を続けていた高橋被告ですが、今回あの人物の供述をめぐり、裁判で争う姿勢を示しました。

大会組織委元理事 高橋治之被告
「森先生に出ていただきたい。法廷にですね。ここではっきり間違っていたと仰ってくださいと

組織委員会トップだった森喜朗元総理(86)。関係者によりますと、森氏は特捜部にこう説明したといいます。

森喜朗元総理
「高橋さんにスポンサー集めなどのマーケティングを担当してもらうことにした」

しかし、この供述は高橋被告にとっては不利になるものでした。高橋被告にスポンサー集めなどの権限があったとなれば、公務員に準じる「理事」として、スポンサーからの金品は「賄賂」となる可能性がでてきます。