今月14日はバレンタインデー。スーパーやデパートでいろいろなチョコレートが並んでいますが、鹿児島県の鹿屋市には、作り手の個性を生かしたチョコレート工房があります。
カラフルなパッケージが目を引く、桜島を模したチョコレート。使うのはカカオ豆ときび砂糖のみ。シンプルでカカオの奥深さを楽しめる逸品です。
(記者)「ドライフルーツのような甘さとミルクのような味も…あとから苦味も感じます」
製造・販売を手がけるのは、鹿屋市のチョコレートショップ「kiitos」。フィンランド語で「ありがとう」を意味します。
代表の大山真司さんです。障がい者の就労を支援するNPO法人・Lankaを2011年に設立。当初は利用者と石けんなどを作っていましたが、2017年に妻の愛子さんと、利用者の個性をより生かせるチョコレート工房を立ち上げました。
以前は廃校になった鹿屋市の旧菅原小学校を活用していましたが、2か月前に中心市街地に移転オープンしました。
(kiitos 大山真司代表)「どうせだったら誰もやったことのない、日本でも見たことのないものをやりたかった」
チョコレートづくりはそれぞれの得意を生かし、分業で担当。毎日20人ほどが障害や体調に合わせて自分のペースで働いています。
絵を描くことが好きな女性は商品を入れる袋をデザイン。豆ごとに異なる焙炒の担当は、時間に正確な男性です。
手先が器用で細かい作業が得意なこちらの女性は、商品の包装を担当しています。
(包装を担当している女性)「やるたびにいろいろなところを工夫して楽しくなってきてやっている」
(kiitos 大山愛子さん)「得意分野を生かして仕事をしてもらっていて、合わないのは合わなかったらダメではなくて、いろいろな仕事をしてもらって。楽しんでもらうことが一番大事。頼もしい」
店内には板チョコレートのほかに、バレンタインシーズン限定・鹿屋産のイチゴやバラ、小豆を使った焼き菓子。チョコレートの原料カカオを鹿屋産のはちみつで漬けたものや、カカオに大隅の辺塚だいだいの果汁を加えたコーラなど、さまざまな商品が並びます。
味や香りの違いを楽しめるよう、鹿児島県産の材料と組み合わせるカカオ豆は、ベトナムやガーナなど6か国から選んでいます。(※ベトナム、ガーナ、タンザニア、トリニダード・トバゴ、コスタリカ、ペルー)
(初来店の客)「福岡の妹に贈り物をしようと思って。鹿屋で売られている、作られているものをと思って来た」
(常連客)「職人の仕事だと感動した。一つ一つ手作りなんだと感じながらチョコレートをいただけて、ぜいたくな時間」
チョコレートをづくりを始めて4年になる瀬戸口大地さん(29)です。施設の利用者の一人で、工房のリーダー「チョコ長」を務めています。
(瀬戸口大地さん)「毎日味が違う。同じ国でも温度・気温・湿度で表情も変わってくる。予想以上にめちゃくちゃ甘党になっちゃって…」
カカオ豆から商品が出来上がるまでは10日ほどかかります。カカオを挽いてペースト状にしたチョコレートを、艶があり、よい口どけに仕上げるための温度調節を行います。軽くたたきつけ空気を抜いて、均等の厚さに。冷蔵庫で冷やし固めれば完成です。
バレンタイン前の今の時期は、普段の5倍の1日200枚作る日もあります。
(瀬戸口大地さん)「(仲間と)一緒に作業している時間が一番いい」
個性豊かなkiitosのチョコレートは口コミで全国に広まり、東京の外資系高級ホテルなど60件以上に納めています。この日は、新たな取引先となる県外の経営者が店を訪れていました。
(宮崎でカフェを経営 今村快平さん)「みんなが自分の得意な分野で得意なとこで生きがいを見つけて生きていく、大きな意味で社会貢献を小さい形でも僕はしたい。大山さんがチョコレートに込めている思いを僕は売りたい」
(大山真司代表)「彼らができることを楽しんでやってもらう、彼らだからできる仕事だと思う。『障がい者が』じゃなくて、僕らが鹿児島からチョコレートブランドを作るだという思いが一番なので、そこを共感してもらえればと思う」
(瀬戸口大地さん)「仕事する上で必要な存在なっているのかなと思うと(うれしい)」
それぞれの得意をつなげて作る鹿屋発のチョコレート。「おいしい」と「kiitos」を届けます。
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