安倍晋三元総理が銃撃され死亡した事件をめぐり、旧統一教会の“ナンバー2”だった元会長が会見を行い、安倍元総理の祖父・岸元首相との関係について語りました。旧統一教会と政界には、一体どんな繋がりがあるのか。約40年にわたって旧統一教会を取材してきたジャーナリストと弁護士の指摘を交え解説します。

■「安倍元総理の死に責任…」旧統一教会の元ナンバー2語る

日比麻音子アナウンサー:
7月19日に韓国ソウルで旧統一教会の元幹部、元ナンバー2と言われている郭錠煥(カク・ジョンファン)氏が会見を行いました。

旧統一教会 ナンバー2 元最高幹部 郭錠煥氏の発言
「(今回の事件は)責任がないとは思っておりません。心より申し訳なくお詫び申し上げます」

さらに現在の教団を批判する内容の発言がありました。

また、旧統一教会の文総裁と日本の政治家たちとの関係についてはこのように語られていました。

旧統一教会 ナンバー2 元最高幹部 郭錠煥氏の発言
「旧統一教会の文総裁は岸信介元総理(安倍元総理の祖父)に近かった」
「政治的な関係ではありません」

この会見を受けて韓国の教団本部は、会見は事実関係があまりにも違うなどと反論しています。

■政界との繋がりは?元総理との握手写真で信者にアピールか

では、実際にこの教団と日本の政界との関係はどうだったのか詳しく見ていきます。

あくまでも一方的な主張に過ぎませんけれども、山上容疑者のものとみられるツイッターには、「岸(元総理)が招き入れたのが統一教会。安倍(元総理)が無法のDNAを受け継いでいても驚きはしない」との書き込みがありました。

では実際どんな関係だったのか。

旧統一教会を約40年取材を続けているジャーナリストの有田芳生さんによると、1960年ごろ、安保闘争が当時、社会問題になっていた。岸元総理は“反共産主義”を主張する統一教会を利用し、こういった闘争などを収めたかった。一方で、旧統一教会は、総理のコネクションを利用して、勢力を増やしたかった、大きくしたかったこのように考えていたのではないかということなんです。

実際に、岸元総理の自宅の隣には旧統一教会の本部があって、教会で岸元総理が講演をしたこともあったそうです。さらには、旧統一教会の創設者である文鮮明氏と岸元総理が握手をする写真などもあります。

全国霊感商法対策 弁護士連絡会の山口広弁護士によると、親しいような様子が映し出されている握手の写真を利用して、世界的な認知度や教団の凄さを信者にアピールしていたというような指摘もあります。