明治大学発のベンチャー企業などが、ヒトに臓器を移植するために遺伝子を改変したブタを日本で初めて誕生させることに成功したと発表しました。

おととい、ヒトへの移植を想定したブタ3頭が生まれたと発表したのは、ブタのクローン技術などを研究する明治大学発のベンチャー企業「ポル・メド・テック」などのグループです。

グループは、アメリカのバイオ企業がヒトに臓器を移植するために拒絶反応が起こりにくいように10種類の遺伝子を改変したブタの細胞を輸入し、その細胞からクローン技術を使ってブタ3頭を誕生させたということです。

グループによりますと、ヒトへの移植を想定したブタが国内で生まれたのは初めてだということです。

グループは今後、研究機関などにブタを供給してサルへの移植の研究を進めるほか、2025年度にもブタの腎臓をヒトに移植する臨床研究を目指しているということです。

明治大学 長嶋比呂志 教授
「臨床応用の体制作りや倫理的な課題、社会からの受け入れなど、様々な議論が同時並行的に進むというようなきっかけ作りになったと思うので、そのような議論の喚起に期待したい」

動物の臓器をヒトに移植する「異種移植」は、移植用の臓器が不足する中、解決策として期待が高まっています。