なぜ死亡者数が急増しているのか
葛西医院 小林正宜 院長
「感染者が増えれば増えるほど、重症化しにくいとはいえ、重症化する方がいます。分母が増えれば、分子も必然的に増えてきますので、重症化する方、もしくはお亡くなりになる方は増えてくると思います」
こう話すのは、大阪府内で連日、新型コロナの自宅療養者を往診している葛西医院の小林正宜院長です。
感染者数の急増により、死者数も増えると話しますが、さらに小林院長が指摘するのが、陽性者の急増による治療介入の遅れです。

葛西医院 小林正宜 院長
「入院や保健所が覚知して患者さんに連絡するまでの間に、タイムラグが生じる可能性が出ています。タイムラグが生じて、患者さんへの電話連絡が遅れてしまうと、その間に症状が進んでしまったり、重症化してしまうことがあり得ると思うので、そういったことから、お亡くなりになる方が増えていことがあるかもしれません」
また、山陰両県のPCR検査に協力しているR0の藤井医師は、島根の死亡者急増について…

R0 藤井政至 医師
「感染者数が急激に増えたというのが一因だと考えています。感染者の母体の数が増えているので、残念ながら亡くなっている方も増えているということだと思います」
小林院長と同様に、感染者数の急増を指摘します。

実際、島根県の感染者数と死者数を比較してみると、2020年4月から2022年6月末までの2年3か月で、感染者数は1万9599人。死者数は16人で、感染者およそ1225人に1人が死亡している計算です。
一方、第7波の7月。
18日間で感染者数は1万2443人。死者数は15人となっていて、感染者およそ830人に1人が死亡している計算です。
確かに感染者の急増とともに死者の数も急激に増えていますが、死者数の割合は1.5倍に増えていることも分かります。