能登半島地震で津波警報が出た際、避難所に指定された小中学校の窓ガラスが割られる事態が相次ぎました。浮き彫りになった津波からの避難場所の課題とは。
あの日、住民たちは津波から逃げようと、避難所となっている学校の窓ガラスを割って中に入りました。
「ドアの窓が割られて入られたことについて、ご存じの方いらっしゃいましたら、校長の方までお越しいただければ幸いです」
鍵がかかって入れなかったからです。
同じようなことは富山市でも…。この学校は鍵が開いておらず、非常階段に大勢の人が押し寄せました。
避難誘導にあたった 押田大祐 富山市議
「『まだ鍵開かんがか』『誰、鍵開けるがよ』怒号のような声。一刻も早く高いところへっていう感じですかね」
この学校を含め、富山市では9つの小中学校で窓ガラスが割られました。中にはトラブルになるところも。
記者
「板のようなものが張られ、応急処置がとられています」
この中学校では住民が窓ガラスを割ったあと、こんなことを言われたといいます。
中学校に避難した住民
「教頭先生とばったり会いまして。『ガラス割った人がいる』」
「校長先生が窓ガラス割れとるから、何だかんだ文句言っとった」
そのとき何があったのか…。学校側にも取材しましたが「話す立場にない」としています。
実は市が「指定避難所」として、真っ先に避難すべき第1次避難所にしていたのは別の小学校でした。この小学校は津波の「緊急避難場所」にも指定されていますが、海から近いため、不安を感じた住民の一部は海から離れ、校舎の高い2次避難所となっている中学校に逃げ込みました。
住民
「第1次避難場所の大広田小学校は海側になります。わざわざ津波が来るのに小学校に逃げるばかはいません」
命を守るためにやむを得ず、窓ガラスを割った住民たちの行為に市は。
富山市 藤井裕久 市長
「こういう緊急事態ですから(窓ガラスを割ることは)それもありかなと感じておりますけど、そのことによって被災されるというか、大けがをされるということも考えられますので」
市は理解を示しながらも、1次避難所が海に近く、住民が不安を抱いたことについては、津波ハザードマップの「浸水想定区域」の外にあるので心配ないとして、現段階で1次避難所の場所を変更する予定はないといいます。
富山市防災危機管理課 山口敬 課長
「(津波ハザードマップは)高さ5.5メートルの津波が最短で2分で到達する想定としております。決められた避難所ですので、1次避難所の方に避難していただければと」
想定通りにはいかないことが浮き彫りになった今回の地震。自治体には今回の地震で、住民らがどのように避難したのかを検証し、改めて緊急避難場所のあり方について検討することが求められます。
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